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2012年05月20日

野球界の今日の情報が入りますよー。

【PODCAST最新号】典型的なダメ配信です [聴いてみる]

[野球]

バリー・ボンズ~野球ジャーナリスト検定~

杉浦健太 = 文
text by SUGIURA Kenta

野球
長きに渡る野球の歴史においてバリー・ボンズほど技術に優れ、そして美に溢れた選手はいない。

ボンズは86年にMLBのパイレーツで外野手としてメジャーデビューし、93年にジャイアンツへ移籍。その後07年までに様々な記録を打ち立ててきた。01年のシーズン本塁打73本、長打率.863を筆頭に、04年には出塁率.609、OPS1.421、また通算記録では762本塁打、2558四球、688敬遠やMVP獲得7回など、これらの数字は全てメジャー歴代1位の成績だ。
上記以外にもシルバースラッガー賞12回、首位打者2回、本塁打王2回、打点王1回、MLBオールスターゲーム13回出場など、輝かしい記録は枚挙に暇がない。

ボンズのキャリアは大きく2つに分けることができる。初期・中期にあたる80年代後半から90年代にかけては、5ツールプレーヤーとして球界にその名を知らしめた。この時期に達成された、MLB史上現在までに4人しか成し遂げていない40-40(40本塁打40盗塁)やゴールデングラブ賞8回といった内容がそれを証明する。
そして00年以降はそのプレースタイルを大きく一変させた。筋力トレーニングにより身体を肥大させることで、これまでのスピードを活かした動きからパワーを重視した長距離砲としての、言わば"4番らしい"存在感がより鮮明に浮かび上がった。その結果、01年にはマグワイアの記録を塗り替えるシーズン73本塁打、さらには史上初となる04年までの4年連続MVPの名誉までも手中に収めた。

これだけの素晴らしい実績を残したボンズだが魅力は記録だけに止まらない。何と言っても見る人間を惹きつけてやまないのはイチローさえも「一番理想に近い形」と評する彼独特の美しいバットスイングだ。
やや前傾姿勢でバットを軽く揺らす、来るもの全てを引き込んでしまうオーラを持つゆったりした構え。素早いテイクバックを取り、そこから身体がまるで独楽であるかのように1本の軸を中心に据えて一切無駄のない回転を見せる。胴体と隙間なく巻き付くように出てきたバットは向かってくるボールを自分の近くギリギリまで待って一瞬で捕らえ、次の瞬間、白球は高々と舞い上がって外野手の頭を軽々と越えていく。決して真似することのできない、それでいて限りなく究極に近いバッティングスタイルを確立した。

このように見ていくと、ボンズという選手に様々な"美"を感じる。メジャーリーガーだった父親譲りであろう類まれな運動能力が織り成す"機能美"。年齢を重ねる中で"本塁打"に的を絞り他の能力を手放しながらも作り上げた肉体が表現する"造形美"。そして、一流の投手が全身全霊を賭けて投げ込んでくるボールを嘲笑うかのごとくいとも簡単に打ち返してしまう唯一無二のスイングに体現される"様式美"。
これらの"美意識"こそがバリー・ボンズを野球史上最高の選手に導いたのだ。
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